職業柄、中高生に将来の夢や目標を質問する機会が数多くあります。
情報の溢れる現代の中学生は、思春期以降とても現実的な考えを持つようになります。
ですから、安易に目標を口にすることはありません。
しかし、それ以上に、具体的な目標が見つかっていない為に、答えられない子どもが多いのです。
子どもたちが目標設定に悩む理由とは?
子どもたちが目標設定に悩む理由とは?

オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授が2030年までになくなる職業を発表し話題になりましたが、統計学的にも決して見過ごすことは出来ません。
人工知能やテクノロジーの進歩によって人間の仕事が奪われていくことは確実で、彼らがなりたいと思っている仕事が無くなってしまう可能性もあります。
例えば、私が高校生の時は駅の改札には切符にはさみを入れる大勢の駅員がいました。
今は自動改札ですので、人間は全く必要ありません。
ですから、一生安泰な職業や企業を探すことは難しい時代に入ったのです。
高学歴であれば、幸せな人生を送れるというのは昭和の幻想となりました。
子どもが親に反発するのはなぜか?
子どもが親に反発するのはなぜか?

現代の中高生は、こういう時代背景の下に、夢を探し、目標を決めなければなりません。
単に偏差値の高い学校に入学すればいいという楽な目標設定が虚しく感じる時代です。
親はまだ20世紀世代であり、この変化にはそれ程敏感にはなっていません。
ですから、子供に対して間も無く時代遅れになりかねない自分たちの価値観を押し付けてしまい、子供から反発されてしまいます。
子どもがパーソナル・ブランディングを受けた結果
子どもがパーソナル・ブランディングを受けた結果

21世紀は「個」の時代です。
どんな集団・グループに所属しているかは重要ではありません。
だからこそ、私は子供たちにもパーソナルブランディングが必要だと考えています。
塾講師時代から、学習指導や進路指導の際に、このパーソナルブランディングに近いことを生徒達に提案していました。
10年後のなりたい自分の姿をイメージさせるのです。
その為に自己分析をさせ、そこから自分の将来のポテンシャルを割り出します。
そのポテンシャルを伸ばしたとしたら、どんな職業を選択すれば自分の可能性を広げられるのかを考える訳です。
そして、その結果10年後はどんな姿なのかをイメージさせます。
中学生には簡単な作業ではありませんが、取り組んでいくと客観的に自分を見つめる機会になります。
自分の現状や可能性を真剣に考えることは、面倒臭いと考えていた彼らにとって意外に面白い作業だと気が付きます。
ゴールが決まったら、逆算して現状の学習計画や成績の目標を立てるのです。
闇雲に勉強するのではなく、何の為に勉強するのかが明確になると、学習の対する姿勢が大きく変わり、成果も出やすくなるのです。